街くらべ
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街くらべの「住みやすさスコア」はどう計算しているか

街くらべでは全国1,917市区町村に0〜100点の「住みやすさスコア」を付与しています。 このスコアがどんな設計思想に基づいているか、何を測っていて何を測っていないかを正直に解説します。

7つの指標とその重み

スコアは以下の7指標を組み合わせて算出しています。カッコ内は重みで、合計が100%になるよう正規化されます。

指標 使用データ 重み
安全性犯罪率(件/千人)30%
子育て環境15歳未満人口割合17%
家賃の安さ1R平均家賃17%
平均所得平均課税対象所得13%
保育施設の充実保育所・認定こども園数10%
医療アクセス診療所数9%
活気・利便性人口7%

※重みは内部設定値を四捨五入して表示しているため合計が100%にならない場合があります

なぜ「安全性」が30%と最も重いのか

治安が悪い街は、他の条件がどれだけ良くても選択肢から外れやすいという事実があります。 家賃が安く保育施設が充実していても、子どもを安心して外で遊ばせられない環境では意味がありません。

これを設計の言葉で言うと、安全性は「加点要因」ではなく「失格条件」に近い性質を持ちます。 他の6指標が「あれば生活が豊かになる」ものであるのに対し、安全性は「なければ生活が成立しない」という閾値的な役割を担っています。

そのため、スコアへの影響が最大になるよう30%という重みを設定しました。 これは単なる「治安が大事だから」という感覚論ではなく、 住居選択において安全性が他要素と非対称な関係にあることを反映した設計です。

「子育て環境」に施設数ではなく人口割合を使う理由

子育て環境の指標として、保育所の数ではなく「15歳未満人口の割合」を主軸に置いています。 この選択には意図があります。

保育施設数は自治体が増やすことができる数値なので、「子育て世帯に選ばれているか」とは必ずしも一致しません。 一方、15歳未満の人口割合は、実際に子育て世帯がその街を選んで住んでいる結果として現れる数字です。 施設が充実しているから子どもが多いのか、子どもが多いから施設が整っているのか——因果は複雑ですが、 いずれにせよ「子育て世帯に選ばれている街」を示す指標として、人口割合の方が実態に近いと判断しました。

なお保育施設数は別指標(重み10%)として別途加算しているため、 実際の施設の充実度も無視はしていません。

スコアは「全国の中での相対位置」を示す

各指標は全1,917市区町村の中でのパーセンタイル順位(0〜100)に変換してから合算しています。 つまりスコア50は「日本の市区町村の中でちょうど中間」を意味します。

これは絶対評価ではありません。スコア70の街が「70点分の住みやすさ」を持つわけではなく、 「全国の約70%の市区町村より住みやすいと評価される」という意味です。 この相対評価という性質上、全国の中央値付近のスコア(40〜60点)に多くの市区町村が集中する傾向があります。

また、スコアを生成するには7指標のうち60%以上のデータが必要です。 データが少ない小規模自治体の一部はスコア対象外となっています。 「スコアなし」は「住みにくい」ではなく「比較に必要な情報が不足している」を意味します。

このスコアで測れないもの

設計上の正直な限界として、以下はスコアに反映されていません。

  • 通勤・通学の利便性——最寄り駅から職場まで何分かかるかは個人差が大きく、汎用的なデータで表すことが難しいため含めていません。実際の引越し判断では最重要項目になることも多い要素です。
  • 保育所の待機児童数——施設数は把握できますが、実際に入所できるかどうかは別問題です。都市部では施設が多くても倍率が高い地域が存在します。
  • 自然災害リスク——ハザードマップの情報は含まれていません。海抜・河川との距離・地盤の強さは命に関わる要素であり、別途確認をお勧めします。
  • 街の雰囲気・コミュニティ——近隣との関係性、商店街の活況、祭りや地域行事の多さなどは数値化できません。現地を歩かなければわからない情報です。

このスコアは「候補を絞り込む」ための道具として使ってください。 最終的な意思決定は、現地訪問や不動産会社との相談、ご自身の価値観と合わせて行うことをお勧めします。

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